「非正規型の微分方程式とは?」定義から解き方まで【大学数学の基礎】

今回は非正規形一階微分方程式とは何かについて、解説します。

微分方程式の入口とも言える非正規形一階微分方程式ですが、高校の頃の数学の延長の知識で解くことができます。

この記事では、「教科書の定義を読んでも、いまいちイメージが掴めないな」という方に向けて、大切なところに焦点を当てて、簡潔にわかりやすく解説していきます。

目次

まずは定義を確認しよう

教科書の定義では、

正規形y'=f(x,y)の形で表せない、一階常微分方程式を、非正規形一回微分方程式という

となっています。

これだけ言われても、少し気が引けてしまいますよね。

しかし、「正規系って?」「一階?」というようにパーツごとに分解して考えていくことで、少しずつ理解が自分のものになっていきます。

それでは、まず正規形が何かについて、次の段落で復習していきましょう!

正規形の微分方程式とは何か

x,yの微分方程式について考えます。

連続な変数xの関数y(x)について、n次の導関数をy^nとしたとき、
$$F(x,y,y',y'',・・・,y^n)=0$$
の形で表される等式を、微分方程式と言います。

例えば、
$$y''+y'+x=0$$

について考えると、

特に指定されていないxは連続ですし、y''とy'の項もあります。
ですから、この式は微分方程式ですね。

この時、yが何階微分であるかを、階数と呼びます。(例えばy'は一階、y''は2回)

そして、「階数が最大のy」について解ける形になっていたら、それは正規形であるといいます!

言い換えると、$$y^n=~$$の形にできる、という事です。

わかりにくいので、例を見ていきます。

まず、
$$y''+3y=x $$であれば、二階が最高階なので、これに着目し$$y''=x-3y$$

これは、「y''=の形」になっていますので、y''について解けている、つまり正規形と言えます。

次の例は、$$y''・y+y'+x=0$$を見てみましょう。

これは、最高階y''に着目して

$$y''=-\frac {x+y'}{y}$$

これは最高階のy''について解けたので、正規形です。

微分方程式が「階数が最大のy」について解ける形になっていたら、それは正規形であるといいます!

非正規形の微分方程式とは

改めて定義を思い出すと、
教科書の定義では、

正規形y'=f(x,y)の形で表せない、一回常微分方程式を、非正規形一回微分方程式という

いかがでしょうか。

先ほどよりも、意味がわかるようになったかと思います。

正規形ではない微分方程式が、非正規形である」という事ですね。

すなわち、$$y^n=~$$の形で表せない微分方程式という事です。

例を挙げてみますね。

$$(y')^2=1-4y$$

この式は、例えばルートをとってみましょう。

すると「y'=±~」の形がでて、解けた気がします。

しかし、これは一つの解ではないですね。

このように一つの解に定まらない形は正規形といえず、非正規形と考えて良いのです。

もう一つ例を見てみましょう。

$$(y')^2+3xy'+4y=0$$

これもy'について、一つだけの解は求まりません。

ですから、非正規形ですね。

まとめ

①「階数が最大のy」について解ける形になっていたら、それは正規形である!
$$「y^n=~」の形にできる$$
②正規形でない微分方程式は、非正規形である!

いかがでいたでしょうか。

非正規形の微分方程式とは何か?といかれた時に、説明できるようになって頂けたかと思います。

ぜひ、こちらの問題を解いて、さらに理解を深めていきましょう。

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