趣味としてカメラを始めてみたいけど、スペックの読み方がわからない!
カメラを買うために必要な知識を、詳しく解説してほしいな。
この記事では、このようなリクエストを持っている方のために、「自分にあったカメラの選び方」を詳しく、具体的に解説します。
この記事を読むことで、スペックの読み方を知るだけではなく、カメラの構造にも詳しくなることができます。
カメラの構造を詳しく知ることは、「自分に合ったカメラを選ぶこと」に役立つのはもちろんですが、「写真をうまくとる為」にも欠かせません。
自分に合ったカメラを買い、良い写真を取れるようになるためにも、この記事をぜひカメラを買う前に一読していただけたらと思います。
目次
初心者が初めて買うカメラの、見るべきところ3点
カメラの購入ページに行くと、たくさんの項目が並んでいますよね。
僕も、初めてミラーレス一眼カメラを買う時、「写真を撮るための機械に、こんなに機能に違いがあるのか」と驚いたことを覚えています。
しかしどのスペックを見れば良いのか分からず、とても迷いました。
ここで朗報です。
たくさんの項目があるため難しそうだなと思うかもしれませんが、カメラを初めて購入するときに気をつけることは、ズバリ以下の3点だけなのです。
その3点とは、こちらです。
・画素数(何万画素のカメラが良い?)
・センサーサイズ(中判、フルサイズ、APSC、マイクロフォーサーズ?)
・レンズマウント(どのメーカーのカメラにしよう?)
この3点さえ自分の用途に合っていれば、他はカメラ別の差異がほとんどないという項目ばかりです。
逆に言えば、この3点が自分に合っていないと「撮りたい写真が撮れない」「思っていたのと違った」ということになりかねませんので、ぜひ理解しておきましょう。
【画素数の話】画素が多ければいいってものではないのです。
画素数とは
まず、聞き覚えがある方もいると思うのが「画素数」です。
例えば、カメラのスペック表の、「2400万画素」「1200万画素」などと書いてある数値が「画素数」ですね。
まずは”画素とは何か”というところから説明していきます。
カメラは、このような仕組みで「光を写真に変えて」います。
レンズを通してはいってきた光が、”イメージセンサー”と言われるパーツで「写真」に変換されるという理解で大丈夫です。
この”イメージセンサー”で光を受けるのですが、イメージセンサーの表面はタイルのようにマス目状にたくさんのセンサーが敷き詰められています。
この一枚のタイルのことを画素とよび、そのタイルの枚数を「画素数」と呼びます。
画素数が多いとどうなるか
画素数が多い方が、細かく情報を記録できますよね。
ですから、画素数が多ければ多いほど、拡大したときに細部が綺麗に見えるのです。
「撮影した写真をズームして見たりする」「撮影した写真を大きな紙に印刷する」といった用途がある場合は、細部がはっきりと見える方が良いですから、それらの用途には画素数が多い方が良いと言えます。
しかし、画素数が多ければ多いほど良いわけではないことに注意してください。
この図を見てください。
画素数が多いと、一画素あたりの面積が減ります。
つまり、一画素が受ける光の量が減ってしまうのですね。
光の量が減ると、ダイナミックレンジというものが狭くなります。
ダイナミックレンジというものは、どれくらいの暗いところから、明るいところまでを写真にできるかという指標です。
ダイナミックレンジが狭いと「白飛び」「黒つぶれ」の原因になってしまいます。
細かい所まで見れるように高画素数で、しかもダイナミックレンジが広いようなセンサー、つまり一画素あたりの面積が広いセンサーは無いのでしょうか。
高画素数で、一画素あたりの面積を増やすには、センサー自体の大きさを大きくする必要があります。
これが、次の段落で紹介する「センサーサイズ」のお話です。
センサーサイズの話
センサーには、いくつかサイズがあります。
一つ前の段落で解説したように、センサーのサイズを大きくすることで、「高画素数かつ一画素あたりの面積が広く」できます。
つまり、一般的には「センサーが大きい方が高画質にできる」ということができるのです。
そのセンサーサイズは以下のような種類があります。
ミラーレス一眼カメラに搭載されているセンサーサイズですが、大きい方から、”中判サイズ”、”フルサイズ”、”APSCサイズ””マイクロフォーサーズサイズ”となっています。
そして、一般的にサイズが大きいほど高価格で、サイズが小さくなるほど低価格になる傾向があります。
次の章も参照していただき、実際にカメラを買うときは「自分の用途に合ったセンサーサイズ」と「予算」の相談でカメラを決めていくことになります。
メーカーの違い
一眼カメラを発売しているメーカーは数多くあります。
有名どころのCanon,Sony,Nikonはご存じの方も多いと思います。
その他、高級で有名なLeicaやおしゃれなカメラを多く手がけるFujifilm,最近は中判で名を馳せているHasselbladや動画撮影のイメージがあるPanasonicなどもあります
この段落では、これらのメーカーによって、何が変わるのかを紹介します。
このような疑問を持った方もいるかと思います。
確かに、カメラのAutoモードで撮影する場合は、メーカーの設定で色味が大きく違います。
例えば、「Canonは暖かい色合い、Sonyは青白い、Nikonは目で見た色が出る」などを僕自身は聞いたことがあります。
しかしこの色味ですが、実は後から、自分が好きな色味に調整できるんです。
少し手をかければ、自分が好きな色味に編集できるので、個人的には「メーカーごとの色味の違い」は気にしなくて良いと思います!
それよりも気にするべきことは、”メーカーごとに交換できるレンズの数・種類が違う!”という点です。
各メーカーごとに装着できるレンズに種類があるのです。
CanonはEFマウント、SonyはEマウント、NikonはZマウントというように、装着できるレンズのマウントが変わっていて、EFマウントのレンズをSonyに装着はできないということです。
どのマウントがどれくらいレンズ数が充実しているかは、こちらのサイトで詳しく紹介されています。
選べるレンズの数は、撮影の選択肢を増やすことに直結します。
そのため、レンズラインナップからどのメーカーのカメラを買うか決めるのもおすすめです。
スペックによって画質がどう変わるのか?
この段落では、上記で上げさせていただいた特徴から、カメラの”スペック”が画質にどう影響するのかをまとめます。
まず、「画質が良い」には2種類あり、
ダイナミックレンジの広さ・階調の豊かさからくるもの
どれほど細かいところまで拡大できるのか
に大別されると考えます。
そして、
・光を階調豊かに表現するなら、画素数が少なくセンサーサイズが大きい方がいい
ですが、
・細かいところまで拡大したいなら、画素数が多い方がいい
ということになります。
そのため、大切なことは「画素数とセンサーサイズのバランス」です。
各メーカーのサイトには、写真家達が撮影したとても美しい、心をうばわれる写真があります。
ぜひ写真家さん達が撮影した、カメラごとの作例を見ることで、そのカメラの表現を見てみてくださいね。
自分に合ったスペックを見極めるには、取りたい写真を考えよう
どんな被写体をとるのか?
どんな時間帯・明るさでとるのか?
というような、「自分が撮りたいシチュエーションや被写体」が決まっている場合、ある程度おすすめの機種というものが存在します。
例えば
・とにかくボケを体験してみたい
という場合は大きくボケるフルサイズのカメラがおすすめ
・街中に身軽に出かけて、たくさんシャッターを切りたい
という場合は、軽量で小型なマイクロフォーサーズがおすすめ
といった具合です。
まずはこのような「撮りたいシチュエーション」を具体的にするのが、自分に合ったベストなカメラを探す大きな手がかりになります。
取りたい写真が決まっていないならこれ!
一つ前の段落では、「撮りたいものが決まっている方」という話をしました。
しかし、「これからカメラを触るのに、撮りたいものが決まっているわけがない」という方が大部分なのではないでしょうか。
そこで、まずはカメラを触ってみたいという方におすすめのスペックを上げさせていただきます。
自分が撮りたいものが決まってないあなたにおすすめするスペックは、ズバリ”APSCサイズのセンサーのカメラ”です。
その理由は、
・遠くのものも、近くのものも撮りやすいセンサーサイズ(センサーが大きいと遠くの撮影が苦手、センサーが小さいと近くの撮影が苦手)
・レンズが高すぎず、幅広いラインナップ
・カメラが大きくなりすぎず、気軽に持ち運べる重さ
・夜景も人も夕焼けも、オールマイティーにこなせるバランスの良さ
という点が挙げられるからです。
また、初めてのカメラですから、見た目で選ぶのも非常に良いと思います。
自分が好きなカメラ、一生の相棒になりうるカメラですから、「これだ」というデザインがあれば信じてしまうのもおすすめです。
まとめ
この記事では、購入時にチェックするべきカメラのスペックの見方を解説させていただきました。
センサーサイズと画質の話から、レンズラインナップの大切さ、メーカーの違いについてご理解いただけたら幸いです。
自分に合ったカメラを探すには、どんな写真をどんなシチュエーションでとるかを考えることが近道ですが、そうはいっても撮りたい写真が決まっている人は少数です。
そんな人におすすめなのは、APSCサイズのセンサーを持つカメラであり、また、見た目で決めてしまうのもおすすめです。
カメラは高額ですが、一生物となります。
ぜひ一歩踏み出して、カメラのある、美しい写真・思い出に囲まれた人生を過ごしてみませんか?